
紅茶・烏龍茶・緑茶の違いとは〜それぞれの分類方法や作り方、効能をご紹介〜2019.05.22
紅茶・烏龍茶・緑茶の違いをご存知ですか。3つとも身近な飲み物ですが、意外と知らないことも多いはず。今回は紅茶・烏龍茶・緑茶の違いに加え、分類方法や製造過程、知って嬉しい効能もお届けします。3種とも味わいや色が異なることは言わずもがなわかること。では、それ以外にはどのような秘密があると思いますか? 今一度、紅茶・烏龍茶・緑茶の世界を垣間見てみましょう。
紅茶・烏龍茶・緑茶の違いとは?
実は紅茶・烏龍茶・緑茶の原材料は同じです。学名を「カメリアシネンシス」、和名では「チャ」と呼ばれる常緑樹から摘み取った茶葉から作られます。では、なぜ紅茶・烏龍茶・緑茶に違いがでるのでしょうか。それには次の2つの秘密があるのです。
・発酵度
・製造方法
・製造方法
紅茶・烏龍茶・緑茶は茶葉を発酵させる際の度合いと製造方法によって呼び方が変わります。しかし原材料は同じであるのにも関わらず、味わいや香りに特徴がでるのは非常に不思議に感じることでしょう。それぞれの違いを生む要因について詳しく見ていきましょう。
『発酵度』による紅茶・烏龍茶・緑茶の違い
お茶の種類 | 発酵度 |
---|---|
紅茶 | 完全発酵 |
烏龍茶 | 半発酵 |
緑茶 | 不発酵 |
紅茶・烏龍茶・緑茶の大きな違いとして発酵の度合いが異なるという特徴があります。紅茶は完全発酵茶、烏龍茶は半発酵茶、緑茶は不発酵茶に分類されます。紅茶は、酸化酵素の働きで緑色だった茶葉が深い茶色になるまで十分に発酵したものを言います。一方、緑茶は酸化酵素を不活性化し、発酵させないようにしたものです。そのため、茶葉は緑色のままです。また、烏龍茶は製造方法でいうと緑茶と紅茶のちょうど中間。発酵を途中で弱め、徐々に停止していく流れでつくられています。
この発酵度が違うことで、見た目はもちろんのこと、香りや味わいにも違いがでるのです。
この発酵度が違うことで、見た目はもちろんのこと、香りや味わいにも違いがでるのです。
【お茶における発酵とは?】
茶葉に含まれる渋みのもと「タンニン」を酸化させることを意味します。製造の過程で茶葉を揉むことで酸化酵素を活発化。このプロセスから発酵が進み、茶葉の緑素が破壊されるため、茶葉の色は緑色から褐色へ、香りも豊かになるのです。さらに、味わいにもキリッとした渋みとコクが生まれ、それぞれのお茶へと変化します。
茶葉に含まれる渋みのもと「タンニン」を酸化させることを意味します。製造の過程で茶葉を揉むことで酸化酵素を活発化。このプロセスから発酵が進み、茶葉の緑素が破壊されるため、茶葉の色は緑色から褐色へ、香りも豊かになるのです。さらに、味わいにもキリッとした渋みとコクが生まれ、それぞれのお茶へと変化します。
『茶葉の作り方』による紅茶・烏龍茶・緑茶の違い
発酵具合の違いで呼び名が変わる紅茶・烏龍茶・緑茶は、製造方法が異なります。それぞれの一般的な作り方は次の通りです。
紅茶のつくり方
01. 手摘みした茶葉を陰干しする
02. 葉をくだいて発酵を促し、揉んで茶葉の形を整える
03. 20〜25℃程度の湿度が非常に高い場所で寝かせ、発酵させる
04. 乾燥機で乾かす
02. 葉をくだいて発酵を促し、揉んで茶葉の形を整える
03. 20〜25℃程度の湿度が非常に高い場所で寝かせ、発酵させる
04. 乾燥機で乾かす
茶葉は「手を加えないことにより発酵が進む」という特徴があります。紅茶は十分に発酵させることによって味が引き出される飲み物なので、茶葉の色も濃い茶色です。摘み取った茶葉の水分を飛ばし、揉み込む作業をした後、じっくりと発酵させたものが紅茶になります。
烏龍茶の作り方
01. 茶葉を摘み、天日干しにする
02. 茶葉を室内で寝かした後、発酵させる
03. 釜で炒り、発酵を止め、専用の機械で茶葉を揉む
04. 布で茶葉を包み、絞りながら形を整える
05. 水分量を減らし、形が戻らないようによく乾燥させる
02. 茶葉を室内で寝かした後、発酵させる
03. 釜で炒り、発酵を止め、専用の機械で茶葉を揉む
04. 布で茶葉を包み、絞りながら形を整える
05. 水分量を減らし、形が戻らないようによく乾燥させる
烏龍茶は紅茶を製造する際に行っていた発酵工程を途中で停止させたお茶のことを指します。発酵の度合いは製造元などで多少違いがでますが、どの程度まで発酵させるかを見極めるのが重要です。
緑茶のつくり方
01. 葉を摘み取り、蒸すまたは炒って発酵を止める
02. 茶葉の水分を飛ばし、こねるように揉む
03. 形を整えたら、乾燥機で乾かす
02. 茶葉の水分を飛ばし、こねるように揉む
03. 形を整えたら、乾燥機で乾かす
緑茶は発酵茶なので紅茶や烏龍茶の製造方法と異なり、発酵の過程を行わないのがポイントです。そのため、茶葉の摘み取り作業が終わったらすぐに炒り、発酵を止めています。茶葉の色が緑色のままなのも発酵作業をしないことに起因します。
紅茶・烏龍茶・緑茶の効能

紅茶や緑茶を飲む習慣をつけると、体調を整えてくれるというイメージがあります。具体的にはどのような効果があるのでしょうか。
胃腸を整える
タンニンとカフェインを摂取することにより、胃液の分泌量が増え、消化を促す効果があります。消化機能の活性化で食欲増進も見込めます。そのため、食欲減少で悩んでいる方にもおすすめです。さらに腸の炎症を抑える効果も。
脂肪燃焼
お茶を飲んでから運動をすると、タンニンという成分が脂肪エネルギー代謝を活発にしてくれます。中性脂肪が分解されやすくなり、肥満防止に繋がります。また、脂肪の蓄積を抑えてくれる効果もあるので、太りにくい体への近道にもなります。
コレステロール値や血圧を下げる
カテキンやテアニン(アミノ酸)はコレステロールの数値を下げる手助けをしてくれます。また、タンニンには血圧を下げる効果もあるので、動脈硬化を予防し、生活習慣病の改善が期待できます。
糖尿病の予防
カテキンには血中のブドウ糖(血糖値)の増加を防ぐ効果もあり、体の中から健康状態をサポートしてくれます。タンニンの脂肪燃焼効果もあわさり、ダイエットや糖尿病のリスク予防にも繋がります。
食中毒を防ぐ
カテキンやタンニンには強い殺菌力があり、食中毒の原因となる腸内細菌を退治してくれます。食中毒は食べ物による原因がほとんどですが、日ごろから紅茶・烏龍茶・緑茶を飲むことで重症化を防ぐことができるかもしれません。
疲労回復
カフェインやテアニン(アミノ酸)には自律神経や筋肉を刺激し、疲労回復効果が見込めます。また、血液の循環を促す作用もあるため集中力アップに加え、眠気覚ましや疲労を感じにくくなる効果もあります。
アンチエイジング
紅茶・烏龍茶・緑茶に含まれるタンニンやビタミンには抗酸化作用があり、老化の原因となる活性酸素を減らしてくれます。これらの成分には新陳代謝を促す効果もあるため、肌のターンオーバー促進や小さなケガを素早く治すことにも繋がります。
紅茶・烏龍茶・緑茶は、同じ茶樹から生まれた飲み物。発酵度は風味と香りを変える
作られていながら、それぞれ発酵の具合によって色や香り、味わいにまで大きく違いがでる飲み物だということがわかりました。お茶を飲むことによって体が潤うとともに、効能がいくつもあるのは嬉しいですよね。紅茶・烏龍茶・緑茶は「嗜好品」というだけではなく、ある種「健康を担うドリンク」であるとも言えるでしょう。
BETJEMAN & BARTON(ベッジュマン&バートン)では、世界中から選び抜かれた茶葉を取り揃えています。味わいにこだわり抜いたお茶から香り高いフレーバーティーまで、あなたのティータイムに花を添えるお手伝いをいたします。ご自宅で手軽に楽しめるティーバッグや大切な方へのプレゼントにぴったりなギフトもご用意しています。
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参考文献
磯淵猛(2008)『紅茶の教科書』新星出版